講演タイトル「乳酸菌由来フェリクロームを用いた安全かつ強力な新規抗腫瘍薬開発」
弊社のCSOである藤谷幹浩が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)他主催の「ライフサイエンス 新技術説明会」(2018年12月11日開催)にて、講演いたしました(関連ニュース:①,②)
その時の動画が、YouTube・channel新技術説明会(JSTさんのチャンネル)にて公開されておりましたので、お知らせいたします。
動画をご覧になりたい方はコチラ(YouTubeのJSTさんのチャンネルに移動します)
【新技術の概要】
プロバイオティクスには癌抑制作用があるが癌治療薬として臨床応用には至っていない。我々は乳酸菌の培養上清から強い抗腫瘍作用を持つ低分子化合物フェリクロームを同定した。フェリクロームは各種の消化器悪性腫瘍に対し既存薬を上回る抗腫瘍活性と、極めて高い安全性を示すことから新規抗腫瘍薬として臨床応用を目指す。
【従来技術・競合技術との比較】
フェリクロームは大腸癌細胞を用いたin vitro、in vivo実験にて既存抗がん剤である5-FUやシスプラチンを上回る抗腫瘍効果を示した。また、マウス正常腸管初代培養細胞の活性に影響を及ぼさず、経口・静脈投与によっても肝・腎機能、鉄代謝に異常を来さなかった。以上から治療効果、安全性において既存薬を上回ると考えられる。
【新技術の特徴】
・既存薬を上回る強い抗腫瘍作用
・高い安全性(乳酸菌由来、正常腸管や血液データへの影響が殆ど無く、高齢者や小児へも適応の可能性)
・新しい作用機序(JNK-DDIT3経路を標的とした唯一の抗腫瘍薬)
【想定される用途】
・消化器(癌大腸癌、胃癌、膵癌)、肺癌、乳癌、婦人科癌などに対する抗腫瘍薬
・既存抗腫瘍薬に耐性の癌に対する抗腫瘍薬
・前癌病変(大腸腺腫、膵嚢胞性腫瘍など)に対する癌化予防